※ 本文中の画像は、内容を分かりやすく示した模式図・イメージです。
見た目の歯並びだけでは決まりません

マウスピース矯正の向き不向きは、歯のガタガタやすき間が軽いかどうかだけでは決まりません。
適応を判断するときは、歯並びに加えて、上下の噛み合わせや顎の骨格、歯ぐきや歯を支える骨の状態も確認します。前歯のガタガタが少なくても、奥歯の噛み合わせに治療が必要なことがあります。顎の骨格に大きなずれがある場合は、歯を並べるだけでは対応できず、別の治療方法を検討することもあります。
そのうえで、マウスピース型の装置には、得意な動きと苦手な動きがあります。
歯を大きく動かす場合や、強いねじれには工夫が必要です

マウスピース型の装置は、歯を包み込んで面で力をかける仕組みです。苦手なのは、歯を大きく動かす動きと、強いねじれを直す動きです。
奥歯を失ったスペースを閉じる場合
奥歯を失ったスペースを閉じるために、たとえば10ミリ以上、歯を大きく動かす必要がある場合があります。このときは、歯が傾かないように、歯の根の位置も調整しながら動かす必要があります。マウスピースだけでは、計画した動きを得にくいことがあります。
歯のねじれが強い場合、歯が小さい場合
歯のねじれ(捻転)が非常に強い場合も、マウスピースだけでは動きが鈍くなることがあります。
もう一つ、意外に多いのが矮小歯のケースです。上の2番目の歯(側切歯)が生まれつき極端に小さいなど、歯の大きさや形によっては、装置が十分に引っかからず、予定した動きを得にくいことがあります。
アタッチメントや部分的なワイヤーを組み合わせる方法もあります

こうしたケースでも、「マウスピースでは無理です」と結論づける必要はありません。
歯の表面に付ける小さな突起(アタッチメント)を工夫したり、必要な箇所だけ、必要な期間だけ部分的にワイヤーを使ったりする方法があります。歯を大きく動かす場合は、ワイヤー矯正やアンカースクリュー(矯正用の小さなネジ)を併用し、歯の動きや支えを補う方法を検討します。
補助装置を組み合わせることで、マウスピース中心の治療を続けながら対応できる場面は多くあります。他院でマウスピースでは難しいと言われた方も、方法を変えれば選択肢が出てくることがあります。
歯並びの条件が合っていても、装着時間が足りなければ進みません

マウスピース矯正は取り外しができます。この自由さが利点であると同時に、難しさでもあります。外している間は、装置による力が歯にかかりません。
当院では、食事と歯みがきの時間を除き、日中も就寝中も装着し、1日20時間以上の装着をお願いしています。
歯並びの条件が合っていても、装着時間を守れなければ治療は計画どおりに進みにくくなります。治療方法を選ぶときには、毎日の生活の中で使い続けられるかも大切な判断基準です。
生活の中で装着時間を確保するのが難しい場合は、ワイヤー矯正の方が合う場合もあります。ワイヤーは自分で外せないぶん、装着時間を意識しなくて済みます。
食後に外したままになりやすい、仕事中に長く外す必要があるなど、続けにくそうな点があれば、治療を始める前にお聞かせください。
ご希望と検査結果、生活に合った治療方法を相談しましょう

マウスピース矯正が合うかどうかは、写真や鏡で見た歯並びだけでは判断できません。当院では、精密検査の結果をもとに、その方に合った治療プランをご提案しています。
ご希望の装置がある場合は、もちろんそれを前提に検討します。ご希望を伺ったうえで、目標とする歯並び・噛み合わせに合った方法をご提案し、別の方法のほうが合いそうな場合は、その理由も含めてお伝えします。
相談では、次のようなことを遠慮なく聞いてみてください。
- 私の歯並びに、マウスピース矯正が合う理由は何ですか?
- マウスピースだけでは難しい部分はありますか?
- ワイヤー矯正にすると、治療の進め方はどう変わりますか?
「マウスピースで治療したい」というご希望と、生活の中で気になることを一緒に伝えていただくと、具体的に相談しやすくなります。
まとめ
- 向き不向きは、歯並びだけでなく、噛み合わせや顎、歯ぐきの状態も含めて判断します
- 歯を大きく動かす場合や強いねじれには、アタッチメントや部分的なワイヤーなどを組み合わせる方法があります
- 歯並びの条件が合っていても、装着時間(当院では1日20時間以上)を守れなければ、計画どおりに進みにくくなります
「マウスピースでは難しい」と言われた方も、方法を変えれば選択肢が出てくることがあります。まずは無料相談で、ご希望と気になることをお聞かせください。
※ 矯正治療は自由診療(保険適用外)です。治療により痛みや違和感、歯根吸収などが生じる可能性があります。適応や治療の効果、期間には個人差があり、口腔内の状態によってはマウスピース型装置での治療が難しい場合もございます。
※ マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置は、完成物として国内の医薬品医療機器等法上の承認を受けていない医療機器です。入手経路・国内の承認医療機器の有無・諸外国における安全性等は料金表の「薬機法未承認医療機器について」をご覧ください。
参考資料:公益社団法人 日本矯正歯科学会「マウスピース型矯正装置による治療に関する見解」/公益社団法人 日本矯正歯科学会「アライナー型矯正装置による治療指針」/British Orthodontic Society「Clear aligners」/American Association of Orthodontists「Clear Aligners」